特集 薬物療法マニュアル
Ⅷ.終末期患者の薬物緩和療法
呼吸器系の愁訴
岡部 健
1
Takeshi OKABE
1
1岡部医院
pp.536-537
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903944
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はじめに
終末期呼吸器愁訴,特に在宅ホスピスケアでの癌の終末期の愁訴を中心に述べる.呼吸困難感,咳嗽,死前喘鳴の3つの愁訴が主体である.その中でも呼吸困難感は末期癌全体で50%,肺癌で70%に出現し,末期癌の愁訴として最も重要と考えられる.呼吸困難感のメカニズムは必ずしも解明されていないが,いくつかの呼吸調整メカニズムの障害で起きてくるものであり,この薬物学的調整をはかるためには,呼吸調整のメカニズム(chemical control mechanisms (Paco2,Pao2,pH),airway stretch receptors, airway opioid receptors,lung parenchymal receptors, respiratory musclesの機能)を良く知り,その中のどこに呼吸困難感を形成する原因があるのかを想定する必要がある.
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