文献
第26回日本民族衛生学会,他
西川
pp.663
発行日 1961年12月15日
Published Date 1961/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202470
- 有料閲覧
- 文献概要
10月16日(日)東邦大学医学部大講堂において第26回日本民族衛生学会が開かれた。会長は同大学医学都衛生学会公衆衛生学教授横堀栄博士である。日本民族衛生学会は会員約340名のまとまりのよい学会であつて,前日まで開かれた日本公衆衛生学会とは対蹠的な存在である。歴史は古く昭和5年に永井潜東大教授によつて主唱された。
一般演題は発育,遺伝,人口問題身体障害者,老人衛生等に関連する28題が発表された。シンポジウムは「日本人青少年の体位を向上させるにはどうすればよいか」という論題のもとに5名の発言者と2名の追加発表があつた。各演者とその課題は次の通りである。日本の体格の時代的推移については東邦大木村邦彦助教授(解剖学),最近の日本児童・生徒の体位の推移について公衆衛生院木村正文技官,栄養の成長におよぼす影響について公衆衛生院中川一郎部長,児童の身体発育と精神的因子との相関についてお茶の水女子大平井信義教授,10年後のわが国民の体位の予測について公衆衛生院曾田長宗次長である。追加は,米国二世の最近の研究について栄養大石原房雄教授,日本人の体位は果たして向上しているといえるかとの題で平田欽逸博士が発表した。一般演題よりシンポジウムまで質疑応答が活発で口演7分,追加討論1分の予定時間ははるかに超過して,学会が終了した時刻は予定より2時間近くも遅れて,暮れやすい秋空はとつぷりとくれて7時にならんとしていた。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.