特集 僻地の保健と医療
岩手県葛巻町保健・医療総合調査—僻地をかかえた地域への保健・医療サービスの滲透について
橋本 正己
1
,
斎木 敏生
1
,
相磯 富士雄
2
,
仲村 英一
3
,
田所 助三
4
1国立公衆衛生院衛生行政学部
2宮城県角田保健所
3茨城県古河保健所
4大阪大学公衆衛生学教室
pp.405-415
発行日 1960年8月15日
Published Date 1960/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202298
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I.本調査の背景
1.調査の目的
山間僻地を包含する特殊条件を有する地域での保健および医療サービスがどの程度に滲透しているかを,岩手県葛巻町を対象として明らかにすることが今回の調査のおもな目的である。その内容としては,まず町の衛生状態を全体として把握すること,そしてそれに対して町当局の衛生業務と保健所のサービスがどのようにカバーし合つているか,両者の協力関係はどうかをみつぎに国民健康保険の利用状況から疾病の状況を推測し,医療および予防活動における町病院の役割と機能を相互の関連性において考察することであり,さらに僻地保健所のあり方を町の立場からみることなどがそのおもな事項である。なお,本調査は昭和34年8月に1人・3日,11月に4人・4日というきわめて限られた人員と日数によつて行なわれたものである。
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