特集 精神衛生(Ⅱ)
新しい精神病院
江副 勉
1
1東京都立松沢病院
pp.675-680
発行日 1959年11月15日
Published Date 1959/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202206
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I.はしがき
最近精神病院のあり方についての関心がひじように強くなつてきており,1957年には第1回病院精神医学懇話会1)が国立武蔵療養所でひらかれた。外国でも精神病院の問題をあつかつた本が何冊も出版されているし2)〜6),国際的には世界保健機構の精神衛生専門委員会がこの問題ととりくんでいる7)8)。
ところで,現在精神病院改革運動の先頭にたつているイギリスWarlingham Park Hospitalの院長T. P. Reesが1956年王立医学心理学会年次総会で精神病院のあり方をのべた会長演説8)は"Back to Moral Treatment andCommunity Care"と題されている。"復帰"というからには,過去になにかよいものがあつたにちがいない。事実,ふるい文献をよむと,いま新しい旗印のようにさけばれている"opendoor"という言葉がたびたびでてくるのである。
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