第17回日本医学会総会
「新しい病院展」—社会の要請にこたえる新しい病院のあり方を示す
紀伊国 献三
1
1厚生省病院管理研究所
pp.81-83
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203072
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『分化と総合』—これが去る4月1日より名古屋で開催された第17回日本医学会総会のテーマである。このテーマは,そのまま今日の日本の病院の問題点を明らかにするものであろう。医学の進歩は,必然的に高度に専門化された細分化をもたらし病院においても,全く想像もしなかった新しい専門的サービスが,続々生れている。しかも,それら細分化されたサービスを,患者に対して統一した形で提供する,総合なしには近代病院の機能ははたしえない。この複雑な要請にこたえる近代病院のあり方,問題点を,さぐるため医学会総会開催を記念して「新しい病院展」が,4月1日より6日まで,丸栄百貨店8階催場で開催された。
この展示は,日本医学会総会が主催し,厚生省が後援,その編集企画を日本病院管理学会に依頼したもので,日本病院管理学会長である吉田幸雄(厚生省病院管理研究所長)を中心に,東北大,日本大,慶応大,順天堂大の病院管理学教室と病院管理研究所,東大吉武研究室,名大柳沢研究室のスタッフで企画がなされた。この展示の目的は,単に医学会総会参加の医師ばかりでなく,総会開催時に一般大衆に対して,近代医療の大きな担い手である病院の姿を啓蒙せんとするものあったが,地の利も得て,また内容も具体的であり非常な人気を集めた。
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