特集 最近の医学の話題
綜説
癌代謝の生化学
三浦 義彰
1
1東京大学医学部衛生看護学科
pp.1-3
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201704
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰはじめに
細菌やヴィールスでおこる病気の大部分に有効な薬が出来た今日,癌や肉腫などの腫瘍に対する治療薬の研究が興味をもたれていることはいうをまたない。このことは医学全体についても,「生化学」という一部門に於ても同様であろう。
それで,もし腫瘍組織の代謝が正常組織のそれにくらべて特異な点をもつているならば,その場所を何か薬品でとめて腫瘍組織の息の根をとめようとする考えは誰でも夢に画くことである。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.