特集 赤痢(Ⅱ)
赤痢の疫学
松田 心一
1
1国立公衆衞生院疫学部
pp.1-18
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201437
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まえがき
わが国に於ける赤痢の流行は依然として衰兆を示さず,なおその勢をほしいままにしている。筆者はいくたびかその禍の大きなことと,それを防ぐことの重要なことを説き,当局者もまたそれに対処するため万策を傾けているが,まだ見るべき成果をおさめていない。私達は防疫上はもとより,公衆衞生上の当面の緊急な課題として,1にも2にも赤痢対策をとりあげることが至当であり,またそうでなくてはなるまいと思う。そのことは第1表を見れば立ちどころに了解出来る筈である。そこで筆者は疫学的な見地から,もう1度あらためて赤痢を見なおし,それに因つて赤痢防疫対策の正しい拠り処を得ることに資したいと考える。
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