研究報告
乳幼兒の身体発育判定図表について
山口 健男
1
1群馬県高崎保健所
pp.107-109
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201426
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乳幼児の身体発育を判定する場合,測定値を標準値と比較することは通常行われる所であるが,その比較も莫然と少し大きいとか非常に小さいとか云うだけでなく,その差をパーセントなり標準偏差単位で示しておくなら月令や男女の構成の異る乳幼児の集団の比較や同一の乳幼児を長期間に互つて栄養指導した場合の効果判定などに非常に便利である。併し個々についてこの計算を行うことは面倒であるので計算図表により簡単に算出する方法は以前発表した1)が今回厚生省で新しい基準値が発表されたので2),本基準値に基いた図表を作成してみた。尚基準値との比較をパーセントで行うか,標準偏差単位で示すかの問題は,例えば体重の場合は10%の差は大して珍らしくないが,頭囲における10%の差は極めて稀である。即ち体重も頭囲もともに基準値より10%多い又は少いからと云つて両者の均合いがとれていると云うことは出来たいので,同じ10%の差でもこれに対する評価は異る。この点標準偏差単位で示す方法は合理的で,今回の厚生省の基準偏差単位をもとに上中下が決められている。従つてここに発表する計算図表もこの方法によつた。
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