岸和田市における乳幼兒家庭訪問と乳幼兒検診（その1）

　これまで10回にわたつて，乳幼兒家庭訪問の事例と，それからひきだされた統計について解説してきた．つぎにのべなければならないことはこの調査がおこなわれた当時の社会史的背景である．それは次回にまわして，今回は，いわゆる乳幼兒検診について，その当時，いかなる統計がとられたかを，あきらかにし，保健婦学習の参考に提供しておこう．この乳幼兒検診成績報告書は，当時岸和田市役所厚生課勤務の川崎薫君が私の研究協力者として，提出されたものを，私が手を加えたものである．

　日常の実務のなかから，学びとるべき問題はいくらでもある．さきの訪問事例といい，この検診といい，その統計成績といい，学習の意欲と市民に奉仕しようとする情熱とはかならずや勤務時間を合理的に再編成し，研究時間をひきだすであろう．