特集 公衆衞生からみた癌問題
器官別,府縣別,癌訂正死亡率とその相関について
藤咲 暹
1
1東北大学医学部公衆衞生学教室
pp.65
発行日 1953年6月15日
Published Date 1953/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201222
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緒言
近年の予防並びに治療医学の目覚しき発達に伴う衞生状態の改善は著しいものがあるが,ひとり老年性疾患のみが重要な問題として取残されているの感がある。就中癌は文明各国に於ては第1乃至第3の死因として,これの医学的対策の必要性が強調されてはいるが,その発生要因については今なお推測の域を出ない現状である。癌の発生が各器官相互の間に如何なる関係を持つか,同一器官の男女における癌発生頻度がどの程度の相互関係にあるか,又出産頻度と女子性器癌の頻度との間には何等かの関連性があるか等を観察するために,死因統計より器官別癌死亡率の地域的相関性の考察を試みた。
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