2色ページ 統計
訂正死亡率
竹崎 勁彦
1
1厚生省統計調査部人口動態統計課
pp.217
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916949
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死亡という人口動態事象は,自然的社会的諸条件の影響を受けるが,特に戦争,急性伝染病によって大きな影響を受けることはもちろん,経済変動によっても影響を受ける.一方,死亡の状態によって公衆衛生状態を判断したり,人口の質を表す重要な指標ともなっている.
普通はこれを死亡率によって観察しているが,これは粗死亡率のことで,全人口を分母として単純に死亡総数を除したものである.しかし,例えば都道府県の人口の年齢構成をみると,それぞれ著しく異なっており,老年人口の割合の多い県では,粗死亡率が高くなることは当然のことである.そこで厳密に地域の差を比較するには,年齢構成の差を取り除いた訂正死亡率によることが望ましい.それには基準にする人口集団を設定しなければならない.その基準人口を何にするかによって訂正死亡率の数値も異なってくる.しかし,その基準人口が何であれ,年次別比較とか,国際比較とか,都道府県別比較には,訂正死亡率による観察が粗死亡率のそれより合理的である.以下の計算式および諸表を参照されたい.
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