論説
第7回日本公衆衞生學會を顧みて
S
pp.2
発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201111
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少くとも量的には出題總數472題の他にシンポジアム10題,特別講演5題という本學會としては未曾有の盛況の下に,これも本學會としては始めての地方行,それもはるばる津輕海峡を越えて札幌での開催とあつては,その意義が,同じ酷暑の頃に,同じ土地で開かれた,曰く全國○○會議,曰く全國○○協議會といつた式のいわゆる避暑會議と自ら異るのは當然である。というのは,少くとも學會をば學問の場と心得て,懸命に馳せ参じた筆者の如き小學徒にとつては,何よりも致命的ななけなしの旅費を懷に,ゴトゴトと汽車で蒸されながら行くのでは,凡そ避暑という概念からは縁遠い北海道行だつたからである。
8月15日より17日に至る3日間,札幌醫科大學において西野睦夫會長の下に華々しく開かれた第7回日本公衆衞生學會に臨席した者は,誰しもが初期の頃の本學會に比べると,演説内容の點から言つても,學會の運營方法の點から言つても,數段の飛躍進歩を示していることを認めるのに吝かではあるまい。特に今度の學會の場合,演説内容によつて比較的手際よく3會場に區分され,又時宜に適した問題を思い切つて數多くシンポジアムにとり上げたことは,形式的にはかなりの成功を示しており,この點今後における本學會の運營方針に大きな示唆を與えるものとして,企畫關係者の功は高く評價されて然るべきであろう。
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