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第1回東北地方公衆衞生學會抄録
pp.163-175
発行日 1951年10月15日
Published Date 1951/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200933
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本年6月10日,仙臺市,東北大學醫學部中央講堂において第1回の東北地方公衆衞生學會が開催された。會の次第は極めて多彩のものであつて,午前9時,東北大學公衆衞生學教室の瀨木教授の開會の辭に始まり午前中は一般演題に績いて厚生省の山口公衆衞生局長の挨拶,同局の館林防疫課長の「防疫行政上の問題について」と題する主として赤痢防疫に關する興味深い講演があり,又わざわざこの會の爲に御出席下された志賀潔先生が演壇に立たれて,これ迄歩み來られた道を回顧談風にして含蓄の深い話を述べられ,満堂の聽衆に與えた感銘は深いものがあつた。又午後は黑川東北大學醫學部長,古賀宮城縣醫師會長の挨拶に績いて厚生省統計調査部顧問,渡邊定博士が特別講演として「日本人の壽命と疾病」の演題の下に豊富な題材を紹介し,博士獨特のユニークな研究成果を發表されて聽衆に稗益するところ多大のものがあつた。次いで再び一般演題のあつた後,本會運營に關する協議會に移り,鈴木秋田縣衞生部長等から色々の提案がなされた。午後4時半,泉田宮城縣衞生部長の閉會の辭を以て會を閉ぢ,その直後有志が食堂に集まり晩餐を共にしつつ打ちとけた懇親會を持つた。
何分にも第1回のことであり,準備も充分とはいえなかつたが,一般演題は20を超え,しかも大部分が保健所職員であつたことから云つても,公衆衛生の學問の面と實踐の面の協調に幾分かでも役立つたのではないかと考えている。
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