研究報告
吸入靑酸量の指標としての尿ロダン排泄量
佐藤 德郞
1
,
鈴木 妙子
1
,
福山 富太郞
1
,
村尾 嘉道
2
1國立公衆衞生院
2横濱檢疫所
pp.39-41
発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201075
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靑酸ガスは船舶の鼠駆除や種々の鉱工業に使用されることが多く,しばしば事故が發生する。他にニトリル等も體内では相當量が靑酸に變化するものと考えられている。靑酸ガス環境の恕限濃度は日本では20ppm,アメリカでは最近10ppmに下げられ,上限は1時間で100ppm1)と考えられている。環境中の靑酸ガス濃度の定量には種々の方法があるが,最近北川氏が發表した檢知管2)による方法では高濃度用のものを用いても,0.001%即ち10ppmまでを測定し得るので,開放された場所での靑酸の有毒性を認知するのにさして困難を感じない。しかしガスマスクの效果の判定を現場で實施する場合には困難を伴う。
一方體内に吸收された靑酸は大部分がロダンに變化すると考えられているので,ロダンの排泄量を知れば,吸收チアン量を計算することが出來,靑酸吸入の状態や處理状態を容易に推知することが出來る。
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