2頁の知識
尿の量と比重からわかること
高橋 忠雄
1
1東大醫學部
pp.42-43
発行日 1949年10月15日
Published Date 1949/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906545
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患者を一通り診察すると,大てい尿の檢査をやり,更にいろいろな特殊の檢査を行うのが,定石のようになつています。殊に入院患者では,枕頭の温度表には,毎日の尿量と尿の比重とが,體温脈搏呼吸などと共に記載されるのが習慣になつて居ります。何故,尿の檢査が臨床上このように重視きれるのでしようか。
尿の持つている臨床上の意義は,單に腎臟や尿路の變化がそれで分ると云うだけでなく,およそ生體の中で行われている,極めて複雜多岐な物質の代謝の結果生じた最後の成績體が,主として尿から排泄されるので,殆んどすべての疾患に缺くことの出來ない檢査法となつているのであります。それ等のくわしい定性及定量檢査やその意味づけは,こゝには述べることが出來ませんが,それと比べて,やゝもすれば閑却され勝ちな,尿の量と比重の持つ意義を簡單に申しましよう。これはその測定の責任が多くの場合,看護婦の方にあるので,特に取上げたわけであります。
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