特集 保健所
保健所活動に對する基礎的考察—第1回報告
橋本 正己
1
,
古川 元
1
1大阪府モデル豊中保健所
pp.149-155
発行日 1950年3月15日
Published Date 1950/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200600
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Ⅰ.緒言
新しい保健所活動は文字通り民衆の日常生活と直結する公衆衞生活動の名實共の中樞たるべき使命を與えられているのであつて,保健所活動の向上なくして公衆衞生の向上なく,公衆衞生向上の基盤なくして文化國家の建設の不可能なことを想うとき保健所活動の重要性は如何に高く評價されても高過ぎると言うことはない。公衆衞生活動が科學的活動であり,科擧の社會的實踐である限り,そる細胞であり,(中樞である保健所も亦その成立のあらゆる面に於て高度に科學的でなければならぬ事は論を俟たない。然るに日本に於ける本格的な保健所活動は末だ始まつたばかりであるため,その成立の基礎に對する科學的な獨自の檢討は殆どなされていない現状である。しかし保健所の擔當地域たる人口10萬の地域に於ける必要な保健所活動の量はある程度科學的な根據より算出し得る筈であり,科學的合理的な保健所の之に對應する在り方も自づからその標準が結論づけられて來る筈である。而も之等の問題は主體的にのみ解決せられるべきで,單なる机上のプランによつて解決出來ない事は自明の理である。
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