原著
傳染性下痢症の傳播樣式に關する研究—新潟縣佐渡郡澤根町に於ける調査報告
小島 三郎
1
,
福見 秀雄
1
,
山本 繁夫
1
,
横田 強
1
,
富澤 純一
1
,
木下 佐
1
,
石丸 隆治
2
,
菅井 健治
3
,
福見 辨造
3
,
平山 章
3
,
湯原 安彦
3
,
大野 岑也
4
,
田邊 忠郎
4
,
伊藤 正太郎
4
,
所澤 剛
4
,
大塚 昭二
5
,
椿 茂和
5
1豫防衞生研究所第二細菌部
2厚生省豫防局防疫課
3東京大學醫學部醫學科
4東京大學附屬醫學專門部
5東京醫學齒學專門學校
pp.3-12
発行日 1948年11月25日
Published Date 1948/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200365
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本年の初頭から新潟,山形,和歌山と我が國の各地に發生し(實は昨年の暮に既に一定に發生していたといふ情報もある),3月,4月には全國的に猖獗を極め,猛威を振つた一種の傳染性の下痢性の疾患は,我々によつて傳染性下痢症と命名され,動物實驗,培養實驗,人體實驗によつて詳細に研究され,その病原體はヴイールスと確定した。これらの研究の成果については別稿で發表される豫定である。またそのヴイールス病原については兒玉1),橋本2),山本等3),操4),寺田5)が早速追試確認され,既に成文として山本等はこれを發表している。
一方,本病の傅搬状況も亦甚だ特徴的であつて,新潟,埼玉に於ける我々の部分的調査記録はこれまで随時發表されている6)7)。それらによつて本病の疫學的,流行病學的性状は大略明かになつたと思う。
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