保健所のペーヂ
岩手縣花卷町集團檢診成績
紀 和夫
1
1岩手縣花卷保健所
pp.155-159
発行日 1948年1月25日
Published Date 1948/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200251
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
戰爭による結核禍の被害は,今や結核の處女地と云はれた岩手縣下にも波及して如何なる山間僻地に於ても結核の問題はやかましくとり上げらるゝに至つた。
我が花卷町に於ても最近結核蔓延の徴著しく,殊に花卷町は戰災の爲めに多數住居の焼失による密集生活が家族感染の温床となり,今後町民への結核滲透を益々盛んならしめるであらうことは想像に難くない。吾々は斯る豫想のもとに,花卷町全町民を對照として,先ず第一に冬季密集生活による家族感染によつて生ずる結核發生を最小限度に阻止する目的を以てBCGの接種を實施し,其の一部の者に付いては接種後の経過をも觀察し,又同時に結核集團檢診をも施行したので茲に其等の成績の概略を報告する。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.