原著
BCG接種方法に關する研究—(接種量の問題)(第1報)
染谷 四郞
1
1公衆衞生院豫防醫學部
pp.427-432
発行日 1947年4月25日
Published Date 1947/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200129
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Ⅰ.緒言
結核豫防對策上重要な役割を爲すものとして末感染者にBCGワクチン接種が廣く行はれて居る。之に伴ひ此の方面の研究も盛に行はれ,多くの改良がなされて來た。殊に接種方法として皮内法が專ら行はれる樣になつてから接種局所の副作用も少なくなり,接種BCG量も0.06mg程度まで増量されて來て居る。然しながら免疫效果を強く然も永く保持させるためには如何程のBCG量が最も適當であるかと云ふことは重要な問題である。柳澤等1)の人體に於けるBCG接種の成績に於いて接種量0.04mg程度迄では接種量が多い程免疫效果は大きいことを報告して居る。又最近Aronson等2)はBCGワクチンの人體接種に於いて0.1mg乃至0.15mgの菌量を接種した事を報告して居り,稍ゝ接種量が多い樣である。併し更に大量に接種された場合の成績は報告されてゐない。そこで著者はBCG接種量の問題を檢討するためツベルクリン反應(以下ツベルクリンをツと略す)陰性及疑陽性のBCG末接種者に種々な量のBCGの接種を行ひ,その後のツ反應の經過を觀察し,BCGワクチン接種による結核豫防效果の程をツ,アレルギーの消長によつて檢討した。
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