特集 発達障害
思春期・青年期の発達障害者支援,二次障害への対応
齊藤 万比古
1
1総合母子保健センター愛育病院小児精神保健科
pp.392-395
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103029
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はじめに
発達障害において「二次障害」とは,個々の発達障害そのものの生来的特性のうち著しい困難や問題となっているものを「一次障害」と呼ぶのに対して,出生直後から始まる子どもと養育環境やその外部の環境との相互作用の結果として生じる新たな困難や問題を指し示すための概念である.すなわち発達障害の生来的障害特性が一次障害,その獲得性の問題が二次障害である.この二次障害(二次性精神疾患)という文脈から発達障害の治療・支援を考えることの意義は,発達障害の特性を持つ子どもの自己形成過程において,養育環境をはじめとする環境との相互作用が果たした侵襲的衝撃を,その結果とともに正当に評価した治療・支援が可能なところにあると筆者は考えている.
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