予防と臨床のはざまで
サクラサク謝恩会
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.365
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103017
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3月.卒業式の季節です.合わせて行われる謝恩会も,各大学とも今週に集中していました.私も都内の複数の看護学部で産業保健の授業を担当しているご縁で,例年この時期は様々な大学の謝恩会に出席させて頂いています.午前中から卒業式,多くのご来賓のご挨拶,女子は着物からドレスへ着替えたりしてヘトヘトなはずですが,謝恩会での皆さんの笑顔は晴れやかです.中には,産業保健の研究会であるさんぽ会の受付を約1年間に渡り手伝ってくれた学生もいますので,そういう特別な学生と卒後の進路の話をしたりと,1年間の思い出話に花が咲きました.産業保健に興味のある学生へは,「2~3年は臨床で頑張って欲しい.そしてその後,企業で働きたくなったら連絡して欲しい.それまでは,メルマガやフェイスブックで情報にアンテナを張って欲しい」と話しています.
「産業看護職に臨床経験は必要か否か?」愚問とも思えますが,授業中も授業後も,学生からの最も多い質問です.「まずは先輩に良く聞いてみたら?」とアドバイスしますが,これがまた十人十色の返答があるようです.「臨床経験が必要なんて当たり前」という意見も多く聞かれる一方で,臨床経験がなくても,天才的に素晴らしい仕事をしている産業看護職もいます.個人的意見ですが,臨床から予防へ仕事をシフトしてきた私にとって,臨床の経験は何にも代え難いと思っています.ですから私は「何科でもいいし,数年間でいいので,臨床の経験は必須」と学生に伝えています.
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