「公衆衛生」書評
―NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会 編 村上須賀子,佐々木哲二郎,奥村晴彦 編集代表―さまざまな患者・家族のケースマネジメントへの実践書―『医療福祉総合ガイドブック 2013年度版』
宇都宮 宏子
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1在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス
pp.217
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102979
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私は,病院から生活の場へ患者さんを帰したいと考え,訪問看護の現場から大学病院に移り,「退院調整看護師」として,退院支援・退院調整に取り組んだ.私が訪問看護をしていた時代は介護保険制度が施行される前で,行政の高齢福祉課のケースワーカーや,ヘルパー事業所,特別養護老人ホームのデイサービスや短期入所担当の相談員たち,多くの社会福祉士の仲間に支えられ,対象者や,家族の抱える暮らし,経済問題,虐待の問題等に一緒にかかわってきた.
1992年から,私が訪問看護を実践していた京都の行政区では,特に「福祉・医療・保健の実務者会議」を当初から開催し,困難事例のケース検討も行ってきた.そこで中心になって会を牽引していたのが行政の社会福祉士だった.その経験から,退院調整部門では医療ソーシャルワーカー(MSW)と退院調整看護師が協働して取り組むことが効果的であると考え,病院に戻ってからも退院調整部門の仕組みを作ってきた.
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