ジュネーブからのメッセージ
Why not Both!?②国際保健と国内公衆衛生の再統合―Why Not Both! のすすめ
中谷 比呂樹
1
1WHO事務局
pp.559
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102797
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今年のWHO総会は日本の尾身茂氏が議長を務めて,WHO改革・それを具現化する第12次WHO事業計画方針(2014~2019)と2014~2015事業予算など中期的な国際保健の方向性を決する重要な会議となった.それをとり仕切った日本としては鼻高々といったところであるが,審議の中で,前回,国際保健と国内の医療活動を両方やればよいではないか“Why not Both!?”がなぜ,問題になるのかについてはたと思い至ったことがあるので論議を続けてみたい.
欧米の若い学生と話していてもこのような問いに出合わないし,ジュネーブ大の医学生には国外研修が当たり前,知人の子弟に途上国での研修を斡旋したりするのも日常茶飯事である.欧米出身の各種専門家委員会の委員は国内的にも国際的にも活躍しておりどうして日本だけが違うのか.そこで気がついたのは,双方の優先課題の乖離(ミスマッチ)に由来するのではないか,ということであった.
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