連載 衛生行政キーワード・85
認知症の医療計画について
福生 泰久
1
,
江副 聡
1
1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課
pp.1007-1010
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102618
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はじめに
精神疾患は,症状が多彩にもかかわらず自覚しにくいという特徴があるため,症状が比較的軽いうちに精神科医を受診せず,症状が重くなり入院治療が必要になって初めて,精神科医を受診するという場合が少なくない.また,重症化してから入院すると,治療が困難になるなど,長期の入院が必要となってしまう場合もある.しかしながら,精神医学の進歩によって,発症してからできるだけ早期に必要な精神科医療が提供されれば,回復または寛解し,再び地域生活や社会生活を営むことができるようになってきている.
精神疾患に罹患しても,より多くの方がそれを克服し,地域や社会で生活できるようにするため,患者やその家族等に対して,精神科医療機関や関係機関が連携しながら,必要な精神科医療が提供される体制を構築する必要がある.
このため医療計画に精神疾患を追加して平成24(2012)年3月30日に指針(医政指発0330第28号)を示した.また,認知症の医療計画については10月9日付で,「精神疾患の医療体制の構築に係る指針の改正について」(医政指発1009第1号,障精発1009第1号,老高発1009第1号)として各都道府県に通知をした.
本稿では,精神疾患の医療計画のうち,認知症の「医療機関とその連携」を中心に紹介する.
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