特別寄稿
米国医療制度の概況―医療制度分析の視点から
江副 聡
1,2,3
1順天堂大学医学部公衆衛生学教室
2前ハーバード大学ケネディ行政大学院
3元ハーバード大学公衆衛生大学院
pp.763-766
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101147
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わが国において医療制度改革への関心が高まるにつれ,米国の医療制度が引き合いに出される機会が増えている.ただ,米国の医療制度については,先進医療技術や医療職の教育システムなどの光の面と,無保険者に代表される影の面が混在し,それらが別個に議論される傾向があることから,文脈によって得られる印象が異なり,その全体像の理解が困難となっている.
筆者は2005~2007年にかけて,米国ハーバード大学において医療政策に関する一連の講座を受講した注1).本稿ではそこで用いられていた分析枠組みの一部を用いて,米国の医療制度の成り立ちを概観することで,その全体像の理解への手がかりの提供を試みたい.
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