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あとがき・次号予告
品川 靖子
pp.838
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102572
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2007年の国民健康・栄養調査によれば,糖尿病が疑われる人の約4割は「ほとんど治療を受けたことがなかった」ということです.20世紀の糖尿病治療と言えば,空腹時血糖を目安として,スルフォニル尿素薬(SU薬)などの経口血糖降下薬と,インスリン製剤の1回注射や2回注射が中心でした.空腹時血糖がそれほど高くなければ治療の対象にはならないと考えていた人も多かったのではないでしょうか.
ところが,1990年代後半に糖尿病患者における心血管病の発症リスクや死亡について,空腹時血糖よりも食後の高血糖が強く関与しているという研究報告が出され,早期の治療介入や厳格な血糖コントロールが求められるようになってきました.最近では,空腹時血糖がそれほど高くなくても,食後高血糖に対して早期にαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)などを用いた治療を開始するようです.
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