連載 フィールドに出よう!・9
フィールドを楽しむための3つのポイント
古林 安希子
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1東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻国際地域保健学教室
pp.735-738
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102532
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多くの読者の皆さんと違い,私は医療従事者としての資格を何も持っていない.修士課程を卒業した今は民間企業に勤務している.一修士学生としてカンボジアでの「フィールドワーク」から得られた体験談をこれから述べたい.
私の学んだ国際地域保健学教室では,その2年間の課程の間に,単位取得のための講義の受講と同時に,半数ほどの修士学生が修士研究のため途上国に行き,研究テーマに沿った一次データを集める.時間と費用の関係から,ほとんどの場合,現地に滞在できるのは数週間といった短期間である.短期間でのデータ収集というフィールドワークは,青年海外協力隊員のような長期間滞在によるものとは異なる.保健省やヘルスセンター・地域に入って,スタッフとして現地の人と一緒に保健活動を進めたり,立案したりはしない.しかしそれとは違った難しさと醍醐味があるのではないかと感じている.
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