連載 人を癒す自然との絆・31
農場で優しさを学ぶ
大塚 敦子
pp.148-149
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102344
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本の取材のために昨年来通っているカリフォルニアの「忘れな草」農場(本誌74巻5号:2010年5月号で紹介).この農場は,虐待を受けた子どもたちに生き物のケアを教え,慈しむ心を育むことによって,虐待や非行の予防をめざすプログラムだ.数回しか農場に来られない子もいれば,何年にもわたって通ってくる子もいる.これまで多くの忘れがたい子どもたちと出会ってきたが,なかでもフェイス(5歳)の成長ぶりはめざましい.
彼女が姉のアンバーとともにシェルターに保護されたのは,5か月の赤ん坊のとき.薬物依存の両親とトレーラーハウスで暮らしていたが,両親が留守にしている間に,当時4歳の幼児だったアンバーが連れて逃げたのだ.保護されたときの2人は骸骨のようにやせ細り,ほとんど食べ物を与えられていなかったのが明らかだったという.
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