資料
新型インフルエンザ流行時のインターネット検索頻度から見た情報の推移
梶木 綾
1
,
河合 夏実
1
,
倉田 明奈
1
,
垣本 和宏
1
1大阪府立大学看護学部
pp.79-82
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102321
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緒言
2009年4月にメキシコおよびアメリカ本土で報告された1)豚インフルエンザは,その後,新型インフルエンザとして全世界に広がり,日本では2009年5月9日の成田空港検疫所での感染例の確認後,時期を追うごとに感染者が増加していった.過去のスペイン風邪の世界的な感染拡大の経験などから,新型インフルエンザの拡大は脅威となり,マスコミの連日の報道を通じて様々な情報が発信されていたが,その一方で,新型インフルエンザに関する情報をインターネットの知識検索サービスを通じて収集していた人々も多くいた.リスクコミュニケーションによる住民を交えた情報の共有は,住民の協力と共に,被害を軽減する点において重要であるため,感染時期やマスコミからの報道に対してどのように住民の関心が変化しているかを知ることは,今後,新興感染症が拡大する際のリスクコミュニケーションを考察する上でも有用な情報となる.
そこでわれわれは,知識検索サービスでの質問件数の変化を分析し,さらに流行の時期やマスコミの報道に応じた質問内容の変化を検討することにより,新型インフルエンザに関する国民の関心の変化を明らかにした.
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