特集 広域・複合災害に備える―自治体の公衆衛生活動
扉
pp.909
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102277
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平成7(1995)年に発生した阪神・淡路大震災は大都市直下型の地震であり,兵庫県に限局していたのに対し,今回発生した東日本大震災は,岩手県,宮城県,福島県および周辺都県を含む広域の災害でした.さらに,原子力発電所事故も重なりました.被災者の健康支援については,阪神・淡路大震災を契機として,広域の救命救急医療体制の整備,全国からの保健師などの派遣・応援,避難所や仮設住宅における被災者支援のあり方が見直され,災害ボランティアのコーディネーションも定着してきています.
しかし,東日本大震災は,阪神・淡路大震災の経験が通用しない点も多い状況にあります.最大の違いは,広域・複合災害であることです.その他には,市町村自治体機能が崩壊したところもあったこと,そして農林漁業者の多い地域の災害であることです.公衆衛生体制の上では,阪神・淡路大震災は地域保健法施行前の災害であったのに対し,東日本大震災は施行後,かつ市町村の平成の大合併が行われた後の大災害でもありました.
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