連載 お国自慢─地方衛生研究所シリーズ・13【最終回】
山口県環境保健センターにおけるフグ毒研究
調 恒明
1
,
吹屋 貞子
1
,
立野 幸治
1
,
冨田 正章
1
,
平田 晃一
1
1山口県環境保健センター
pp.338-340
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102090
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フグの取扱量日本一の山口県下関市南風泊(はえどまり)市場でのフグの初競りは,1月4日恒例の季節の風物詩として毎年全国放送のニュースとなっている.本県は明治21年頃日本で初めてフグの食用が許可された地とされており,県の魚としても親しまれている.フグの流通,加工,販売は山口県にとって重要な産業であり,食品としてのフグの安全性を確保するため,条例に基づき年1回,県によって学科および実技からなるふぐ処理師試験が行われる等の取り組みがなされている.フグによる食中毒は,山口県において過去10年間に年平均4例程度,主として個人的調理が原因で発生してきたが,県は食の安心・安全確保の一環として,その原因究明と再発防止に力を入れてきた.事例発生の際には,県環境生活部生活衛生課,環境保健所,環境保健センターが,それぞれヘッドクオーター,現場における疫学的調査と対応,試験検査による科学的根拠の提供を役割とし,一体となってこれに当たってきた.
本稿では,山口県環境保健センター(地方衛生研究所)のフグ毒検査への取り組みを紹介する.
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