特集 ヒトと家畜・ペット・野生動物の感染症―口蹄疫から学ぶ
扉
pp.5
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101990
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2010年4月に宮崎県において家畜の牛に口蹄疫が発生,その後県内に蔓延し,大量の牛,豚が殺処分される事件がありました.口蹄疫の原因ウイルスはヒトに感染することがあるものの,ヒトへの病原性は強くなく,口蹄疫が公衆衛生上の問題になることはないと考えられます.しかし,2010年の口蹄疫流行時には,口蹄疫も伝染病であり,心配した住民から,保健所や衛生研究所等に,口蹄疫についての様々な問い合わせや相談があったのではないかと思われます.そこで今回,保健関係者の「家畜伝染病」についての知識を増やすことを企図して,口蹄疫に代表される家畜の伝染病を取り上げて特集を企画しました.本特集では,家畜の主な伝染病の疫学や症状の特徴,家畜の伝染病対策などとともに,ヒトの動物由来感染症としての側面についても取り上げました.また,ペットや野生動物による動物由来感染症についても,近年注目されているもの,新たな知見があるものについて対象としました.
なお,鳥インフルエンザ,エキノコックスなどについては,68巻(2004年)10,11号の本誌特集「人と動物の共通感染症」で取り上げられているため,今回は対象外としました.
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