連載 お国自慢―地方衛生研究所シリーズ・7
「ユニークな地方衛生研究所」をめざして(上)
小澤 邦壽
1
1群馬県衛生環境研究所
pp.887-891
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101932
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群馬県は目立たない
群馬県は特徴のない県です.他県の方には,お隣の栃木県とよく間違われるようです.ただし,あちらには「日光」という押しも押されもせぬ世界文化遺産があるのにひきかえ,わが県には「尾瀬」と「草津」くらいしか全国区候補がありません.県人口は200万人で,規模から言えば47都道府県の平均値,キャラの立った名物知事がいるわけではなく,「目立たない」ということでは,全国有数の県とも言えます.一説によると,島根に次いで二番目に知名度の低い県と言われています(島根の皆様,お許しを).さらに,名物が「かかぁ天下」と「からっ風」と言うに至っては,上州人気質の少しばかり屈折したありようさえ感じさせるではありませんか.ただ,これは自慢と言えるのかどうかわかりませんが,4人の総理大臣(福田・中曽根・小渕・福田)を輩出したことは群馬県民のひそかな誇りとなっています.
これでは,なんだか最初から「お国自慢」の趣旨にそぐわない前置きになって恐縮ですが,かように“目立たない”群馬県において「ユニークな衛生研究所」を目指すことがむしろ普通でない,というニュアンスをここに感じ取っていただければ結構です.とはいえ,この私自身は群馬県の出身ではありません.
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