特集 検証「パンデミックインフルエンザ2009」
パンデミック(H1N1)2009~対策現場からの検証
②新型インフルエンザ対策に関する課題と今後のあり方―保健所(公衆衛生行政機関)の立場から
白井 千香
1,2
1神戸市保健福祉局
2神戸市保健所
pp.662-666
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101868
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はじめに
神戸市では2009年5月に海外渡航歴のないインフルエンザ患者から,豚インフルエンザ(A/H1N1)をPCR検査により確認し,国内初発の新型インフルエンザ対策を経験した.国の行動計画によるガイドラインに基づき,神戸市が設置した「発熱相談センター」の利用および「発熱外来」への受診は,国内発生直後から爆発的に増大し,感染症に対する市民の不安や恐れを現した行動と考えられた.国の対策は切替えが遅く,運用上問題があった.“国内初”であったことから,神戸市が直面した問題はすべて応用問題であった.新たな感染症が次はどこでどのように起こるかわからないが,私たちの辛苦や徒労を繰り返してほしくないと思い,この報告が今後の対策の一助になることを願う.
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