連載 保健師さんに伝えたい24のエッセンス―親子保健を中心に・12
自閉症の療育をめぐって
平岩 幹男
1,2
1国立成育医療センター
2Rabbit Developmental Research
2Rabbit Developmental Research
pp.245-249
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101762
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自閉症は決して珍しい障害ではありません.本連載第10回でもお話ししたように,この30年余りで10倍以上に増加しています.わが国では,自閉症がありふれた障害になっているということが,小児科の世界を含めてまだまだ十分には理解されていません.自閉症が数千人に1人のまれな障害であった時期には,一般の小児科医が目にすることは少なかったのですが,現在では数百人に1人となり,状況は変わってきました.30年前には自閉症は知的障害を抱えると考えられていましたから,現在のような高機能自閉症(高機能とは知的障害がないという意味.臨床的にはAsperger症候群・障害とほぼ重なります)の概念はありませんでした.ここでお話しするのは,以前から知られている自閉症(古典的自閉症あるいはKannerの自閉症と呼ばれることもあります)の療育の進歩についてです.
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