フォーラム
専門病院におけるがん患者の就労意欲に関する調査
川上 ちひろ
1
,
奥野 滋子
2
,
中島 淳
3
,
市川 靖史
1
1横浜市立大学大学院医学研究科臨床腫瘍科学
2神奈川県立がんセンター緩和医療科
3横浜市立大学附属病院消化器内科
pp.790-792
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101660
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平成17年度人口動態調査によると,がんは40歳以降の死亡原因第1位であり,30歳代においても自殺に次ぐ順位である1).また,国立がんセンターの調査では64歳までにがんに罹患する確率は男女とも11%であり,生涯でがんに罹患する確率は男性49%(2人に1人),女性37%(3人に1人)であると報告している2).高齢化社会では,高齢者本人のがん罹患も重要な課題であるが,社会を支える働き盛りである30~60歳代におけるがん罹患は,本人や家族のみでなく,日本の経済に対しても大きな影響を与える課題と言える.米国の調査によると,がん患者の92%は仕事に復帰しているが,81%は勤務時間が減少していたと報告している3).もちろんがん種や進行度によりその後の経過も異なるため,すべてのがん患者が仕事に復帰できるわけではないが4),仕事を継続することを希望するがん患者に対するサポートを検討する必要がある.
本研究は,就労を希望するがん患者の希望する就労体系や条件と,企業側の制約をどのように調整していくかを研究するための基礎調査として,告知時に就労していたがん患者に対し,告知後の就労意欲について調査,分析したものである.
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