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新型インフルエンザアウトブレイク,大阪からの緊急報告
野田 哲朗
1,2
1大阪府健康医療部保健医療室
2大阪府健康医療部保健医療室地域保健感染症課
pp.676-681
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101632
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はじめに
平成21年5月16日(土),午前1時半,自宅で就寝中,緊急用の携帯電話で起こされた.
渡航歴のない神戸の高校生が神戸市環境保健研究所のPCR検査で新型インフルエンザ陽性になり,確定検査のために検体を国立感染症研究所(以下,国立感染研)に送っているというのだ.
寝ぼけた頭が,一瞬にして覚醒した.
前日は,短期留学先のカナダから帰国し,成田空港の検疫で見つかって入院していた大阪府寝屋川市の高校生らが回復して帰阪するニュースで賑わっていた.だが,彼らは国外発生の扱いで,まだ気楽だった.厳重な検疫体制が新型インフルエンザの日本上陸を阻んでいると,誰もが信じていた,いや,信じようとしていた.
だがその日,夕方には大阪府内の私立高等学校でも感染拡大していることが判明し,神戸が対岸の火事ではなくなったのである.
本稿では,新型インフルエンザアウトブレイクの経緯と,大阪府の対応について報告する(表).
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