連載 地域における自殺対策の新展開-自殺は予防できる・3
岩手県久慈地域における自殺予防活動
星 克仁
1
,
酒井 明夫
1
,
大塚 耕太郎
1
,
磯野 寿育
1
,
岩戸 清香
1
1岩手医科大学神経精神科学講座
pp.494-497
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101346
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
岩手県においては,自殺死亡率が高率で過去10年にわたり,県別の上位3県に名を連ねる不名誉な状態が続いているが,中でも久慈地域では過去20年を通じて自殺死亡率が高率であり,1985~99年の標準化死亡率が全国平均に対して男性2.6倍,女性2.4倍に上る.岩手県では県内の自殺死亡率の地域格差が大きいのが特徴であり,隣接する宮古地域では全国平均に対して男性1.8倍,女性1.4倍である.
こうした現状に対処するため,自殺多発地域における有効な自殺予防事業の構築を目的とし,「精神科医療施設を含めた地域医療機関のネットワーク作り」,「地域住民への働きかけ」,「医療・行政機関・地域が一体となった個別介入」を柱に,複合的な自殺予防活動を行った.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.