特集 若者を性感染症から守る
性感染症の発生動向と最近のトピックス
小野寺 昭一
1
,
多田 有希
2
1東京慈恵会医科大学感染制御部
2国立感染症研究所感染症情報センター
pp.451-455
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101336
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わが国において発生動向調査が行われている性感染症には6疾患があるが,そのうち梅毒,HIV/エイズの2疾患は全数届出,性器クラミジア感染症,性器ヘルペス,尖圭コンジローマ,淋菌感染症の4疾患は定点調査により発生動向が調査されている.定点調査とは,都道府県が指定した医療機関を受診した患者数を,毎月最寄りの保健所へ届けているものであり,全数を調査しているものではない.したがってこの調査は,性感染症全体の動向を知ることを目的としている.なお,現在これらの性感染症は何れも感染症法の5類感染症として扱われている.
本稿では,定点調査が行われている4つの性感染症と,梅毒を加えた5つの疾患の最近の動向について解説するとともに,若者における無症候の性器クラミジア感染者の実態について,われわれの調査を元に述べる.さらに,薬剤耐性淋菌と淋菌の咽頭感染について,その現状と対策について述べることとする.
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