連載 PHNに会いたい・9
―栃木県真岡市・両親学級「ピアカウンセリング」―先輩からプレパパ・プレママへつなぐ市民の安心
荘田 智彦
,
鱒渕 清子
1
,
鎌田 玲子
1
,
相田 美智子
1真岡市保健福祉部健康増進課保健予防係
pp.413-419
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101329
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真岡市の両親学級のことを耳に留めていたのは,もう5年近く前のことです.2003(平成15)年の5月,私は宇都宮市で開かれた栃木県市町村業務研修会に参加しました.その時の市町村保健師会の会長が真岡市の鱒渕清子さんでした.「混迷の時こそ,保健師の意識改革を!」のサブタイトルは,今でもそのまま通用しそうですが,研修前にいただいたお手紙には〈(サブタイトルの「混迷」とは)時代の混迷と,その動きに巻き込まれている保健師の混迷を指しています.私たち職能が私たちらしく生き生きと,生きて活動できるように進んでいきたいと思います.〉とありました.そして,この研修会の折に鱒渕さんから,真岡市の驚きの母子保健の取り組みを聞きました.今回の取材は,あの真岡市はその後どうなっているか,あの日の鱒渕保健師(PHN)はまだ健在かと,訪ねたい思いが強くあったのです.
手元に5年前鱒渕保健師(以後敬称略)からもらった資料コピーがあります.『生活教育』2002年6月号に鱒渕が報告していた『ピアカウンセリング効果を活用した両親学級の実際』(特集/父親の育児参加支援に向けて―その役割意識をどう高めていくか)です.そこには,妊娠・出産・子育て期の母親たちを支援するためには,妊娠中の夫の協力や父親の育児参加が不可欠であるという考えから,真岡市では1997(平成9)年からピアカウンセリングを活用した両親学級を実施してきたと記されていました.
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