特集 アレルギー対策―花粉症・食物アレルギー・アトピー等への対応
アレルギーの克服に向けた最近の研究成果と今後の展望
秋山 一男
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター
pp.180-183
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101269
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アレルギー疾患は今や国民病とも言うべき疾患で,わが国人口の3割を超える人が,何らかのアレルギー疾患に罹患していると言われている.その根拠となる研究報告は,平成4~6年度の厚生省アレルギー総合研究事業疫学班(三河春樹班長)によるわが国のアレルギー疾患疫学調査である.すなわち,その調査結果によると,わが国総人口の内,何らかのアレルギー疾患(喘鳴,気管支喘息,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎)を有する者は,乳児(1歳未満)で28.9%,幼児(2~5歳)で39.1%,小児(6~15歳)で35.2%,成人(16歳以上)で29.1%ということであった.
一方,近年のめざましいアレルギー疾患の病態機序の基礎研究の進歩により,Th1/Th2免疫系バランスのTh2免疫系への偏移によるアレルギー疾患発症説が広く支持され,多くの基礎データが蓄積されつつある.
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