特集 憲法と公衆衛生
〈新たな課題〉
憲法と公衆衛生と「居住権」
早川 和男
1
1神戸大学
pp.36-37
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101230
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どこの国,どこの町や村であろうと,人はみなこの地球上に住んで生きている.「居住」は人間生存の基盤であり,基本的人権である.日本国憲法25条の生存権保障は「居住保障」がその基盤として内包されているはずだが,日本政府にその認識はなく,住宅確保は自助努力・市場原理に委ねられ,その結果,先進国では稀な「居住貧困」を強いられている.1979年3月,EC(欧州共同体)は日本人を「ウサギ小屋に住む働き中毒」と称したが,現在「働き中毒」はワーキングプアやニート,「ウサギ小屋」はホームレス,インターネットカフェなどとして両者は関連しながら変害しているが,前者の「居住貧困」はより多面的で深刻化している.
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