連載 衛生行政キーワード・31
院内感染対策の新局面
徳本 史郎
1
1厚生労働省医政局指導課
pp.435-437
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101061
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MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)はもとより,VRE(バンコマイシン耐性腸球菌),MDRP(多剤耐性緑膿菌)など各種の微生物に起因する院内感染の防止を図るため,各医療機関はこれまで様々な取り組みを実施してきたことと思われる.しかし,中小の病院のみならず,全国の特定機能病院等においても,多剤耐性緑膿菌やセレウス菌等の集団感染と思われる事例が確認され,報道がなされているところである.特に高度の医療を提供する医療機関においては,侵襲の大きな手術を行う等により,感染症に対する抵抗力が低い患者が少なくない事情があることも踏まえ,院内感染対策委員会を中心とした組織的な取り組みの機能強化等,院内感染防止体制の再徹底を図ることが求められる.
本稿においては,今後の院内感染対策のあり方について,医療制度改革の話題と絡めて概説する.
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