特別寄稿
2型糖尿病の地域基盤型1次予防
小谷 和彦
1
,
黒沢 洋一
1
1鳥取大学医学部健康政策医学
pp.869-872
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100680
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増加する2型糖尿病
糖尿病は心血管病,神経障害,網膜症,腎症といった多種の合併症を引き起こし,罹患者の生活の質ならびに社会保障資源に大きな影響を与える.2型糖尿病(本稿では以下,単に糖尿病という場合には2型とする)の有病率には,民族差や地域差の存在が指摘されているが,いずれにしても近年,先進国や近代化の進む開発途上国において,2型糖尿病は増加の一途を辿っており,2025年には世界中で3億人以上が保有するとの推測もある1).
本邦においても,平成9年の国民栄養調査に際して行われた糖尿病の実態調査によると,20歳以上の国民のうち,「糖尿病が強く疑われる人」が約690万人で,「糖尿病の可能性が否定できない未治療の人」は約680万人であったのが,平成14年の同調査では,それぞれが約740万人と約880万人に達し,増加の実態が明らかとなっている2).
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