連載 Rapid Review & Topics・2
Evidence Based Nutritionに基づく糖尿病予防のための栄養教育の評価研究
山岡 和枝
1
,
丹後 俊郎
1
1国立保健医療科学院技術評価部
pp.384-387
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100386
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,世界的に2型糖尿病の増加が見られ,その有病率は2025年に成人の5.4%になるとも予想されている1).2型糖尿病はインスリン分泌低下を主体とするものと,インスリン抵抗性を主体としインスリンの相対的低下を伴うものなどがあり,糖尿病の中では最も多い.日本では2型糖尿病が糖尿病全体の98%程度を占め,近年,著しい増加を示している.
以下,本稿では2型糖尿病を単に「糖尿病」と記すことにする.糖尿病は合併症が重症であり,患者に深刻な健康影響を及ぼし,QOLの低下をもたらす.糖尿病の罹患には食習慣や身体活動度の低下など「生活習慣の欧米化」が関係していると言われ2),肥満の改善やエネルギー消費によりインスリン抵抗が高まり,耐糖能が向上することから3),食事や運動などの生活習慣の改善が,糖尿病予防に効果的であることが期待される.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.