トピックス
私たちの公衆衛生(パブリック・ヘルス)―メールマガジン『風―市民と共に創る公衆衛生』立ち上げについて
荘田 智彦
1
1ノンフィクション作家
pp.369
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100380
- 有料閲覧
- 文献概要
イラクへの自衛隊派遣決定を経て,いよいよ憲法改正が現実問題化してきた.主にそこでの焦点は第9条だが,私たちの公衆衛生の憲法25条についてはどうなるのだろう.
筆者が「保健婦=公衆衛生看護婦(PHN)」の取材を始めて8年になる.当初は少子高齢化と社会の備えという関心から「保健婦(師)」という職種に興味を持ったが,次第にその職能の基盤となる公衆衛生に関心が深まった.保健師との交流を深める一方,「公=われわれ」が“パブリック”の本意だとしたら,社会防衛的な公的責任の側面と,社会の構成員である公民,すなわちわれわれの側にも,自分たちの命や暮らし,そして健康を守り保持する責任があることに思い至った.それが憲法に言う「権利と義務(第3章)」と12条が求める不断の努力義務の中身である.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.