原著
ホームヘルパーの心身健康度と自我態度
安次富 郁哉
1
,
金城 やよい
1産業医科大学医学部医療科学講座
pp.235-240
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100271
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介護労働に従事するホームヘルパーは「家庭」という労働環境において,利用者本人およびその家族に対する対人サービスの業務形態をとり,主に単独の業務である.したがって,家庭という閉鎖性の高い環境の中で,人間関係を保ちつつホームヘルプサービスを提供することは,ホームヘルパーにとって多くのストレスを伴うことが考えられる.筆者らが実施したホームヘルパーに対するアンケート調査の結果でも,ストレス要因の第1位は「利用者本人及び家族との関係」と答えており,全体の4割を占めた1).
ストレスはストレス要因,ストレス症状,ストレス耐性の3側面から検討する必要があるが,本研究ではストレス要因を「利用者及びその家族との関係」に着目し,ストレス症状を「心身健康度」,ストレス耐性を「自我態度」として,ストレス症状と自我態度との関連を検討した.すなわち,本調査研究の目的はホームヘルパーに生じた精神・心理的,身体的症状とこれら心身健康度に影響する自我態度の特徴を明らかにすることであり,ホームヘルパーのストレス・マネジメントのありかたを検討することである.
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