連載 衛生行政キーワード・8
国民医療費
長谷川 学
1
1厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課保健統計室
pp.419-422
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100093
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概要
「国民医療費」はわが国の医療経済における重要な指標の1つであり,厚生労働行政の基礎資料として昭和29年以降毎年推計されている.国民医療費は当該年度内(4月~3月末)における病院や診療所等での病気やけがの治療に要する費用を推計したものであり,診療費,調剤費,入院時食事療養費,訪問看護療養費等が含まれている(図1).なお,正常な妊娠や出産等に要する費用,病気を予防するための健康診断・予防接種等に要する費用,固定した身体障害のために必要な義眼や義肢等の費用,差額ベッド代,歯科の差額分等の費用は含まれていない.
国民医療費の算出に当たっては公費負担医療給付分,医療保険等給付分(医療保険制度,労災保険等),老人保健給付分のそれぞれについて支払い確定額を用い,患者の一部自己負担額と全額自費分を推計,合算して算出している.
医療費に関する他の指標としては,厚生労働省保険局調査課から月次で発表される「医療費の動向」(メディアス)1)がある.また,国際比較可能な医療費統計としては,毎年経済協力開発機構(OECD)が公表しているOECDヘルスデータ2)がある.
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