特集 国民医療費の再検討
国民医療費の動向と病院
財津 晃
1
,
余語 弘
2
,
岩渕 国人
3
,
有澤 源蔵
4
,
丹野 三男
5
Akira ZAITSU
1
,
Hiroshi YOGO
2
,
Kunito IWABUCHI
3
,
Genzo ARISAWA
4
,
Mitsuo TANNO
5
1長浜赤十字病院
2小牧市民病院
3医療法人清和会ときわ木病院
4医療法人有恵会有澤総合病院
5総合病院仙台市立病院
pp.35-41
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208490
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国民医療費の動向と病院
健康保険法改正が実施された1984年10月1日以降の患者の動向は,短期間ではあるが,懸念していた患者減はなかった.思いがけなく負担金が多かったというトラブルもあまりなく,もしあっても説明により納得して貰っている.短絡を承知でいえば,一部で心配された現金の用意がないために受診できないという事態は幻であったようだ.世界1とも2ともいわれるGNPに支えられ,日本全国を覆うクルマ熱,海外旅行,外食産業等々が盛んなところからみても,厚生省がいっていた受益者負担の説明は当たっていたし,今後の短い期間を限っていえばこれが続くであろう.ここで病院としては入院個室料,人間ドッグなど,健康管理や患者サービスに連なる施策を拡充する必要がある.
今日の国家財政と,これに完全に支配され,現況として抑圧されている医療費の関係ぐらい矛盾に満ちたものはない.
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