研究
神戸市3歳児健診における屈折検査導入後の視覚スクリーニング精度および検査異常に関連する因子の評価
谷 杏奈
1
,
小澤 恵
1
,
丸山 佳子
2
,
三品 浩基
2
1神戸市こども家庭局家庭支援課
2神戸市こども家庭局
pp.300-306
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134883330810040300
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要旨
【目的】本研究は、3歳児健診における屈折検査導入後の視覚スクリーニングの精度を評価すること、および屈折検査陽性に関連する児の属性を探索的に分析することを目的とした。
【方法】2021(令和3)年度の神戸市3歳児健診の受診児1万1468人を対象とし、既存情報を用いて観察研究を行った。視覚スクリーニングの陽性率および陽性的中率を評価した。また、屈折検査の陽性群と陰性群の属性を比較した。
【結果】視覚スクリーニングで933人が陽性となり(陽性率8.2%)、屈折検査導入前と比べて約3倍増加した。眼科精密検査の結果、要医療と診断された児は242人(陽性的中率36.0%)であった。早産、低出生体重、肥満、就寝時間、外遊びの頻度、メディア視聴時間が屈折検査陽性と関連を認めた。
【結論】屈折検査の導入により、視覚異常の検出率が向上した。一方、陽性的中率は低く、今後も判定基準の検討が必要と思われる。また、児の未熟性および生活習慣が屈折異常に関連することが示唆された。

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